建築学科攻略サイト

凡人が建築学科をスムーズにクリアしようと試みるために作ったサイトです。「攻略したぞ!」という過去形ではなく、「攻略できるかな?」というニュアンスです。
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自分が建築学科出身で、今いろいろと仕事をしている中で、実際の現場を見て思ったこと、感じたことなどを、建築学生時代の経験に絡めて書いております。
よろしくお願いいたします。
 

2018年03月29日

設計課題やコンペに取り組むうえで気を付けていた事

こんにちは。



今回は久方ぶりにちゃんと建築っぽい記事を書いてみました。



ここ最近、就活とか日記とかエッセイ的な記事しか書いて無くて、「建築学科攻略サイト」っていうわりに建築学科感が減ってきて・・・。



これじゃいかん・・・



と、思いまして・・・笑



個人的には、「図面の描き方」とか「アイデアの出し方」とか、こういう微妙なテクニックとキャッチーな言葉で飾ったようなHowto的なものが好きではなく、今あまり積極的に書きたくないのですが、たまにネットとかSNSで流れてくる



「図面の描き方!」

とか



「設計をよりよくする方法!」

とか




とりあえず読んでみるけどあまりにもおもしろくなく・・・



「僕のほうがちゃんとした記事書けそうだなぁ…笑」



って思っちゃうので書いてみることにしました。



この図面のテクスチャはここで使おう!

とか

ドローイングはこの雑誌を参考にしよう!

とか

文字は小さいフォントで色味を減らすとかっこいいドローイングになるよ!

とか・・・



それはそれで大切なんだけど、そのもっと手前というか、奥にあるものというか・・・



こういう小手先だけのふわふわしたキャッチーなHowtoが広がって、皆さん真似するくらいなら、僕の記事読んでいろいろ実践してほしいなぁと思って書いていますので、参考にしてみてください。



とりあえず、今回の記事では実際に僕が学生のころに設計課題やコンペに取り組むうえで気を付けていた事、やっていたことを極力分かりやすく解説してみます。






■ 動画解説

動画一時停止しました。いずれまた気が向いたらアップします。(´・ω・`)

※実際に僕が作ったものを図面・模型写真等用いて解説してみました。サムネは手描き図面です。






僕が学生の頃も、今でも思っていることなのですけど・・・



設計課題とか、コンペでも卒計でも、「自分が見えてないもの」を細かくデザインしようとしすぎだと思います。



もちろん、創作は見えないものを具現化していく作業ですので、それはそれで良いのですが、天才でないかぎり、凡人は見えないものをいきなりドカッと形にするわけではなく、少しずつ地道に見えるようにしていかないといけないのです。



僕の感覚で言うと、見えてないもの、見た事ないものの行く末を、自分が見た事ない状態で考えるってめちゃくちゃ難しいんですよ。



けど、真剣にそれに取り組もうとしてる人が多すぎて、いつもびっくりしています。



例えば設計課題とかコンペ・卒業設計・卒業制作・卒業計画って提出物が基本「模型+図面」でしょ?



で、色々と考えてアイデアが固まってきて



「よしこれから模型作ろう!」



って手伝いとか雇って模型作って、並行して徹夜で図面作り始めて、提出期限ぎりぎりで



「なんとか形になった!」



って、出来上がったもの提出しているでしょ?



今はどうかわかりませんが、少なくとも僕が学生の時は周り大体そうでした。



僕からしたら、



「いや、それ提出じゃなくてスタート立っただけだから・・・」



って感覚になるんですよ。



皮肉とかそういう意味ではなくて、純粋に「え!?何を見て何をデザインしたの?」って思いません?



自分のアイデアが最初に形として見える瞬間って、少なくとも学生とか課題・コンペの段階だと模型と図面が「“一旦”完成した瞬間」でしょ?



いったんその状態を見てみないと修正点分からなくないですか?



僕の場合、コンセプト考える→ボリューム模型作る→ラフ図面にする→1/100とか1/200で空間模型作る→1/100とか1/200で計画模型作る→1/50で詳細模型作る→詳細図描く。とりあえず自分の思い描いたプランを目に見える形にしてみる。



この時点で自分が思っていたものが初めてこの世に立体として生まれてくる。



で、生まれたものをそのまま提出してる人多いんですけど、普通“ここから”がデザインor設計のスタートですよ。



よく



「もう作ってしまった状態で、思っていたのと違った場合はどうするんですか?」



とか聞かれていましたけど、その場合は0からまた作り直せばいいんです。



ストイックとかマッチョとかそういう話じゃなく、普通に一度完成形を見ないと修正できない箇所山ほどあるじゃないですか。

※これくらい手伝い不要、一人で十分できます(というかできてた)し・・・。※A、あと、こういう「手伝い不要論」書くと毎度一定数「手伝いがいることで色んな人の意見が集まってアイデア昇華される」みたいな反論受けるから先に言っときます。それは大正論ですが、そういうこと言う系の人のその意見、たぶん言い訳。ディスカッション出来てると思い込んで、実際は作業に追われて、人が集まる意味のあるポジティブな意見交換できてないと思う。



例えば、



1/200のスケールでは豊かに見えた空間も、1/50のスケールに直してみると傾斜めっちゃ急じゃね?とか、1/200のスケールでは小さく見えた窓も、1/50で人置いてみたら開口部バカでかいな・・・とか、



1/200のスケールで描いていた図面では開口部だったところが、1/50で模型作ってみると構造的に弱いから「ここって構造強化してまで開口にする必要ある?」って疑問出てきたり



1/100の図面ではわりと控えめに置いていた植栽が、1/50になるとすごくうるさいとか



1/200では超かっこよかった空間が、スケール拡大するとダサかったり、逆に1/200では存在にすら気づかなかった空間を1/50の模型で発見して、そこからアイデアが飛躍したり



僕が学生のころからよく製図室でMacとスタイロの塊眺めて寝袋しいて「う〜ん・・・」とか考えこんでいる人いましたが、たぶん本人も何か考えていると思い込みながら、実際やっていることって



「何を悩んでいいのかわからないから悩んでいる」



だけだと思います。




ほんとに、実際やってみると死ぬほどよくわかりますが、模型大量に作って、図面大量に書いて、とにかく手を動かしていたらアイデアや考えなきゃいけないこと、修正しなきゃいけないこと、山ほど出てきて机でPC眺めて「う〜ん」とかやっている暇ないですからね。。。



僕が尊敬してやまない、奥山清行さんっていう超かっこいいデザイナー(車とかデザインする人)がいるんですけど、何かの番組で




「肩から先の手は別人で、手が自由に創作するのを私は客観的に見てて、手という人間が作り出すものに「もっとこうしたほうが良いんじゃない?」「え?そんなの作っちゃう?」って常に問いかけている」




みたいなことを言っていてえらく感動したことがあるのですが、ほんとにその感覚になります。



トレースとか繰り返して手に歴史や知識が染み込んでいれば、その手をひたすら動かすと時折自分が想像もしていないものが生まれてきたりしますから。



自分が考えている事の現段階での完成形を一旦見て、そこから初めて色んなアイデアが出てくるわけです。



が、しかし、手を動かさずに、“一旦”完成形も見ることなく、「こんなのは、きっと形にするとこんな感じになる、で、こんな感じのこの部分は、きっとこうなるに違いない」てな感じで、



重要なことを想像で越えようとしている人



がなぜこんなに多いのか・・・



「こんなのは、きっと形にするとこんな感じになる、で、こんな感じのこの部分は、きっとこうなるに違いない」



って、言葉面見ただけでも、「抽象的でふわふわした作品しか生まれてこない感」がそこらじゅうに漂っていませんか?



10000歩くらい譲って何度か試してある程度感覚つかめていたらなんとなく想像と出来上がった作品がほぼ同じっていう状態まで持っていけると思いますが、最初の課題から一旦の完成形がそのまま提出物ってありえないよなぁ。



って学生のころからめちゃくちゃ思っています。



けど、建築学科界隈、未だに手より口動かす人のほうが多い。しかも大体「使ってる言葉がややこしい」だけで大して重要なことは言ってない。



まぁそれが一番楽ですからね。



楽なわりに「こいつ、考えてやがる・・・」って思われやすいし。

※ただ、仕事はじめたらシビアだしお金絡んでくるし、そういうハッタリってすぐバレるから、学生の時だけにしとくことをお勧めしますが・・・。




とりあえず、設計課題とかコンペって基本だれも見たことのない新しいものを作るけで、そうなると自分も見たことが無いし、審査する人やオーディエンスも見たことが無いものじゃないですか。



それを他人にプレゼンする時って自分が自分のアイデアのすべてをめっちゃ見て、理解していないとできないと思うんですよ。



けど、テスト段階の「“一旦”完成形」っていう状態を、そのまま完成品として提出している人がほとんどじゃないですか?



そういうのってたまたま運が良ければコンペ引っかかったり評価されたりするかもしれませんが、深く掘り始めるとなんとなく薄っぺらい作品になります。



作者がいったん完成形を見てそこからさらに修正してるいかどうかって、出来上がった作品の「深み」に差がものすごく出ますよ。当たり前ですけどね。



例えば、日本地図全体を上から眺めて東京について考えた人と、日本地図全体の俯瞰とズームを繰り返して東京について考えた人、できたものを見なくても、やった行動だけ聞けば出来上がるものに大きな差があることが分かりませんか?



Googleマップで「日本地図」を上から見て、東京の街並みの魅力と、その最大限の活かし方、それを形に変える方法について考えられます?



ムリじゃないですか?



僕は無理ですね。



莫大な知識と住んでいた時の記憶があればなんとなくできるかもしれませんが、そこに労力とエネルギー使うくらいなら実際に行って現地見るか、ストリートビューでズームして色んな事観察するべきじゃないですか?



日本地図で俯瞰しながら、東京と日本全体との関係を見て出てくるアイデア

と、

東京の細部を見て出てくるアイデア

と、

東京に住んでいる1人の個人と話をしてそこから生まれてくるアイデア

と・・・



これら行動のスケールがすべて違うから、出てくるアイデアも全然違うわけで、この沢山のスケールを行ったり来たりするからダイナミックで繊細なアイデアが生まれてくるわけです。



ということで、自分自身のアイデアや作品に色んなヒントを発見するためにも、もっと手を動かしたほうが良いですよ。



今までトレースの話ばかりしていたので、



僕の言う「手を動かす」=「トレース」みたいな感じになっちゃっているけど、それも大事ですが、自分の作品で沢山模型作ったり沢山図面描くことで、どんどん良いもの出来るようになりますからね。



それはただ細かい模型を作るとか、デカい模型を作るとかそういう事では無くて、自分のアイデアや発想を超立体的、多角的に見るために、色んなスケールの模型を作ってみたり、スケールによって考える・詰めていく場所を変えてみたり。



もっと手を動かして、色んなもの試作していった方が良いと思います。



コンペのプレゼンとか審査風景とか見てても、



審査員が大きいスケールで質問しているのに模型のスケールで答えてたり(多分自分の作品を別のスケールで体験し、考える行動をしていないから)



1/200とか1/500くらいの模型しか作ってないから、構造の事つつかれても「構造なんて関係ねぇ!」とか平気で言えちゃったり。



構造気にしなくていいとか思っている人は、一回自分の1/200とか1/500の小さい模型を1/50で作ってみてください。



構造考えないとスチレンボードで模型すら作れないからね。模型ですら再現できていないものが、他人に



「リアリティのある豊かな空間」



として認識してもらえると思います?(VRならできるけど・・・)
※思ってるなら他人を自分に都合よく見すぎだと思いますよ。



こういうところでアイデアのリアリティが一気に無くなったりしますからね。



こういうのって当たり前にいろんなスケールの模型作ったり、図面描いたりしてると普通に当たり前の感覚で理解できますけど、いつもCGでイメージパースしか作らない人とか、模型も1/100、1/200~500スケールの模型1個とかしか作らない人は永遠に気づかない感覚です。



逆に、自分の中での「一旦の完成形」を色んなパターンで作るだけで、あらゆるスケールの質問に対応できますし、あらゆるスケールで物を考えることが出来ます。あらゆるスケールで修正していくことが出来ます。



これだけでも相当アイデアや作品に差が出ますので、もっと手を動かしてみてください。



建築界隈or建築学生は最初の発想に頼りすぎですし、すべてを託しすぎです。



頭の中で



「これがこうなってこうして・・・う〜〜〜〜〜ん・・・・」



と、何度も何度も考えて最適解を導き出すなんて天才がやることですから。



最初の段階ではなかなか必然性が見いだせないものでも、それを感覚でもいいから形にした後にいろいろなことが見えてきます。



だから、とりあえず形にしてみれば良いんです。



形にして、色んなスケールで模型作ったり、図面描いたりして見て。



一旦形にすることで、全体を見渡せるようにすることで、見えてきた問題点・感覚に頼ってたところを詰めていくことで、感覚でひょっこり出てきたようなふわふわした抽象的なアイデアや形・創作に、必然性が生まれてくるので、その感覚をつかむ、養うためにも、手を動かしまくりましょう。



あたまであれこれ考えるのは、その後にやるべきことです。



とりあえず、この記事はこのへんで。





それでは!









posted by まっく at 21:27| Comment(0) | 建築学科 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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