建築学科攻略サイト

凡人が建築学科をスムーズにクリアしようと試みるために作ったサイトです。「攻略したぞ!」という過去形ではなく、「攻略できるかな?」というニュアンスです。
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自分が建築学科出身で、今いろいろと仕事をしている中で、実際の現場を見て思ったこと、感じたことなどを、建築学生時代の経験に絡めて書いております。
よろしくお願いいたします。
 

2018年10月03日

コンペ・設計課題のいろんな配分について




こんにちは。




前回、noteでコンペとか設計課題に取り組む上で「意外なテクニック!」とか「裏技」とか「近道」なんてないから「死ぬ気でトレースして、死ぬほど本読んで、大量に事例研究してください。」という記事を書いたのですが、


※前回記事はこちら




そういう事やってるし、作ればある程度のクオリティまで仕上げる事が出来るけど・・・




”けど”、それでもなかなかうまく行かない




っていう人向けに記事を書いてみました。
簡単に言うとどういう時間配分にしたらいいかとか、どこにリソースを割けばいいかとか、そういう内容です。




で、コンペに出す人には、少なくとも自分が表現したい“想い”と、最低限の建築に対する見識があるっていう前提でこの記事書いていますので、「テクニックだけを駆使してコンペ取ろう!」って書いているわけではないから、そこ勘違いしないでくださいね。




あくまで、「自分が作ったものを最終的にどう表現すればいいか?」をちゃんと考えていこうという話なので。




まぁ、とりあえず本題に行こうと思います。




全体のアイデアを構成するためにコンセプト、パース、ダイアグラムに、タイトル、5つの要素があったとします。
※いつも書き方が抽象的になるので、これはいろいろ例をあげて具体的に書きます。




単純に全体のアイデアが100%としたらそのうち20%を担う5つの要素によって成り立つとしましょうか。20%の要素が5個集まって100%という感じです。




実際は課題によって違いますが、わかりやすくするために単純化すると、例えばコンセプト20%、パース20%、ダイアグラム20%に、タイトル20%、図面20%の5つで100%の案になるとします。




本来これを課題や過去の受賞歴を参考にバランスよくやっていくのですが、ほとんどの人は「1つずつ100%仕上げよう」としている人が多いようにおもいます。特に真面目な人。




根拠もなく「コンペといえばコンセプトだ!よしコンセプトを考えるゾ!」って、コンセプトを考え始め、いつの間にかコンセプトを考えることが目的になり、そこからひたすら考え続けてコンセプトを100%に仕上げようとする・・・




みたいな。




そして、コンセプトばかり考えてしまい、最終的に時間がなくなって結局コンセプトは20%を上限として10%くらいまでは納得できたけど、他全く手を付けていないので、「やヴぇ〜!徹夜だ〜!」ってなって、最終的に他の要素を見るとパース1%、ダイアグラム2%、図面5%、タイトル2%にしかなっていない・・・と。




そして「あと1日あれば・・・・」ってなっちゃう。

※僕も元建築学生だから死ぬほど分かるんだけど、「あと1日あれば・・・」って言ってる人の今の作品と1日後の作品ってほぼ同じです。




で、これらを合計すると異常に時間はかかっているし徹夜もしてる割に全体の完成度を100%(20%×5要素)としても20%(コンセプト10%、パース1%、ダイアグラム2%、図面5%、タイトル2%、合計20%)の作品しかできていないんです。




コンセプトに全力を注いで限界まで極めても所詮全体で占める割合は20%ですから、時間かけても全体の構成には大して影響がありません。




これなら、全部ほどほど(5%ずつ)の労力と完成度で、全体をバランスよくやったほうがよくありません?




コンセプト5%、パース5%、ダイアグラム5%、タイトル5%、図面5%。




これで結局は25%。異常に労力をかけて部分最適を一生懸命やった結果、他に手が回らなかった人より完成度が高いんです。




建築学科ではあるあるなんですけど、これで特に多いのが「パースに異常に労力かけちゃう」パターンじゃないですかね。




モデリングソフトとかCAD、Photoshopが使えないので、それの練習もかねてパースに労力使ってしまうとか、単純に最近CGっぽいのが描けるようになったのがうれしくて、どうにかかっこいいCGを作ろうとパースに凝ってしまうとか。




CGって一朝一夕でうまくなるものではないですから、練習もかねていろいろやってできるものって、よくて8%くらいですよ。




で、それに時間かけすぎてコンセプト1%、パース8%、ダイアグラム1%、タイトル1%、図面1%。どれだけ頑張ってても完成度12%ですからね。




これだとタイトルのつけ方がうまくてタイトル15%くらいで出してきて他の4つがすべて0.5%くらいの完成度16%くらいの作品に普通に負けますから。




たまに無いですか?




プレボがただきれいなだけの作品

とか、

論文とおまけか?wっていうような、ティッシュ箱に難しい言葉書き連ねただけの作品

とか・・・




そういうのってコンペでは落ちることが多いのでネットに載らないから、なかなか目に触れないかもしれないけど、学内コンペとか課題提出の時は沢山あると思います。




サザエさんのエンディングで磯野家が入っていくあの三角屋根の家を、どれだけ綺麗に書いても、ティッシュ箱にどれだけ哲学を詰め込んでも建築の表現にはならないですからね。




けどやっちゃう人多いんです。




トレースとか過去の作品リサーチとかちゃんとやっていると分かりますが、パースのクオリティが問われるアイデアコンペなんてまぁほとんど無いですよ。




僕は前からタイトルとコンセプトの1文って言っていますが、それを除けばまだ図面の完成度が問われるコンペのほうが多い。




大体、審査員のほとんどはパースやCGの作成をプロに依頼しているわけで、かっこいいCGなんて見慣れているわけです。そんな状態で




うわ、パースかっけぇ。学生のわりにCGの技術がすごい!よし、これ1位!




なんてまず無いですから。




で、僕の中ではふっつうのコンペだと感覚的に




タイトル40%、コンセプト30%、パース10%、ダイアグラム10%、図面10%、




くらいのバランスが要求されることが多い“イメージ”なので、タイトルの40%のうち20%くらい労力をかけ、コンセプトと簡単なパースができればとりあえず提出はできるわけですし、下手なCGに一生懸命になって全体の完成度12%くらいで出してくる人にはほぼ負けないんです。

※もう少し過激に書くとタイトル50%、コンセプト30%(内ヘッドの1文が占める割合が20%)、パースor図面で15%、ダイアグラム5%、とかかな。実際にタイトル+パース1枚+ヘッド1文だけの構成で賞取ったこともありますからね。




建築学科の気質なのか、日本の民族性なのか、学生の頃から周りを見ていると、全体のほんの1部分に異常にこだわって労力をかける人が多かったイメージがあります。




しかも、審査側が求めている1部分にこだわるのならいいんですけど、自分がこだわりたい1部分にこだわってる人が多いです。見るのは他人ですから。




「現物として存在する至極の一品」を作るのならそれで良いんですが、コンペとか課題って架空のもので、結局は「作ったものをどう表現するか」が作品そのものになってしまいますからね。




だから、結局自分がこだわりたい一部にこだわったとしても、最終的にそれを審査側が求めている部分に変換しないと見てもらえないわけです。




仕事し始めてもこれは同じで、とにかく小さな一部にこだわる人が多い。




デッサンとかやっても、普通全体の構図を決めて、そこから全体のクオリティを徐々に上げていくでしょ?




目だけ異常に拘って書き込んでいたり、髪だけに異常に拘ったりすると、その部分のクオリティは高いかもしれませんが、全体を見ると不自然になるって普通に理解できませんか。




グループでやる場合にも結構勘違いしている人が多くて。「5つの要素をそれぞて分担して各々が最大の20%を目指そう!最後それを合体させれば100%だ!」みたいにやっていた人ほんと多かったです。




そんなことないから。




全体をバランスよく考えていくことを意識しないと、1つの胸像をデッサンするときに「じゃああなたは目を完璧に仕上げて」「あなたは口を完璧に」「あなたは輪郭を完璧にね」とやっても、最終的にそれらを合成してもなんか変な感じになるって想像できませんか?




特に建築学生我が強い人多いでしょ




分担して作業して一つの作品を一生懸命作っているように見えて、




悟空の目を全力で作っている人と、ルフィの口を全力で作っている人と、夜神ライトのフォルムを全力で作っている人がいて、それらを最後合体させてマリオ作ろうとしている状態に見えること結構ありますし。




結局グループでやる場合も「全体をバランスよく見る人」と「その他作業員」に分かれるくらいがちょうど良いと思います。




で、同時進行でトレースとかリサーチやっていると、このコンペは出題者が何を求めて(見ようとして)いるのか?って大体わかるようになってくるので、例えば




「今回のコンペはタイトル40、コンセプト20、図面20、パース10、ダイアグラム10」




とか、




学校の実施図面の練習課題だと




「これは図面80、パース5、タイトル5、ダイアグラム5、コンセプト5」




とかわかってきます。そしたら、上の例の場合は図面とタイトルに労力かければとりあえず見られる確率が上がりますし、下の例の場合は最もウェイトの高い図面に時間かければいいだけで、極端な話他全部切り捨てても評価される可能性は上がるわけです。



あと、今度これらが出来た時にレイアウトで全体のバランスを調整するんですけど、その時間も残しておかなきゃだめですからね。
これ結構大事で、5つの構成要素がそれぞれ数%で大したことなくても、レイアウトの取り方次第で




例えば



5%のコンセプトと2%のダイアグラムの配置を考えることによってコンセプトが10%になり、ダイアグラムも相乗効果で5%になる

とか

10%のパースの中に5%のコンセプトを入れることでパースが20%、コンセプトは弱くなって2%けど、合計を比べるよ15%と22%だからこっちの方が良い

とか

10%のタイトルを10%のパースの外に配置するとタイトルが15%、パースが8%、けどパースの中にタイトルを配置するとタイトルが8%、パースが12%

とか



レイアウトで全体のバランスが変わる事って当たり前ですけどありますから。だから、最後提出出来る状態で残り少なくても1週間くらいはあったほうが良いんです。ギリギリで適当にレイアウト取って提出なんてあり得ないですからね、この調整で相当結果変わるので。
※レイアウトについては、過去に書いたレイアウトの記事があるので参考にしてください。
レイアウト・構成の基本@




ちょっと話それたので本題に戻りますが、




評価されることがすべてではないですが、仕事しても、誰かに頼まれて何か作っても、




「相手は何を求めているか?」




を探るのってとってもと〜〜〜っても大事ですからね。




で、いろいろ考えたうえでバランスが見えない場合は、ジャブ打てばいいんです。とりあえず1個。例えば全部を3%くらいにした作品をパッと作って中間提出したり、人にエスキス頼んだりすればいいんです。
※最悪この時点で全体が3%だと提出物すべてそろっているので、提出はできますからね。




そしたら、相手は図面をかなり集中的に議論してくるとか、コンセプトについていろいろ聞かれるとか。そういうのをしっかり分析して、均等に「コンセプト20%、パース20%、ダイアグラム20%に、タイトル20%、図面20%」で考えていたものを、「コンセプト30%、パース5%、ダイアグラム5%に、タイトル20%、図面40%」とかに変更して、再度コンセプトと図面に2%ずつ労力を振り分けて5%にして、他のものをそれぞれ3%のままサッと作り直して、また見せればいい。




よくなったと言われたらそのまま全体をバランスよく仕上げていき、また修正が入ったら配分を考えればいい。




普通の大学って課題が4回くらいあって、その4回の中で中間発表やエスキスの機会は山ほどあります。その中で、すべての課題こういうことを意識できれば、どういう人が何を見ているか、相当な量の情報が集められます。




それを参考に、コンペに大量に出せばかなりの経験になると思いませんか。




ただ何も考えずに模型とか図面を作ったり、20%くらいの割合しかないコンセプトだけに異常に労力をかけて残りの4つを最終日に徹夜で仕上げるとか、どれだけ徹夜して頑張ってもそんなの所詮1%ずつくらいにしかならないし、ずっとやっていると健康に悪いし、特に進展も学びもなくないですか。




せっかくやるなら考えたほうがいいと思います。




こういうの考える癖がついていると、仕事の時間配分とか労力の配分を自分でマネジメントできますので、相当楽になります。
(時間と出勤日を完璧に会社に決められている系の業種は難しいかもしれませんが)




建築学科って課題とかコンペとか忙しくて徹夜続くよね!




っていう空気もさすがにこの時代だとそろそろ原始人感が半端ないですし、時間とか労力の配分がうまく出来ない人と仕事するのって結構キツイので、仕事出来る人はそういう人との仕事をあまり好みません。




学生の大切な4年間(or6年間)使って行き当たりばったりの対処法だけを学んでも仕事始めたら苦労しますので、せっかく大変な課題が沢山出題されるわけですから、考えて労力や時間を配分する事を練習したら良いと思います。




その時成果が出なくても後々非常に役に立ちますので。





posted by まっく at 22:05| Comment(0) | コンペ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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