建築学科攻略サイト

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2018年11月12日

エスキスを人に頼む際にどこに注意すればいいかを、エスキスを頼まれる側の視点から書いてみた



こんにちは。



今もそうなのですが、学生のころから人にエスキスを頼まれることがあって、そのたびよく思うことがあるんですけど、たぶん真面目にやっていてもなかなか評価が上がらないとか、コンペに入賞しないっていう人たちってそもそもエスキスを頼む側として問題がある場合が多いです。



最近、何人かまとめてSkypeやらなんやらでエスキスをしたんですが、最初の段階で大体同じ場所で躓いていたりします。で、躓いていることに気づいていないパターンが多い。



僕に対してそういうことするということは、おそらく学内とか知り合いの先輩とかに対してもそういう事をしているはずで・・・



以前似たような記事(この記事の最後に関連記事としてリンク貼っています)を書いたことがあるのですが、質問の仕方とかアドバイスの受け取り方とか、少し配慮すれば自分の力を上げることができるのに、そういう些細な努力とか配慮を怠って結果同じところでずっと躓いている。



勿体ない・・・



なので、今回はエスキスを人に頼む際にどういうところに気を付ければいいかを、「エスキスしてくれ」と頼まれる側の視点から書いておこうと思います。



当たり前ですが、例えばコンペで何度か受賞したことがある人はどうすれば受賞するかを知っているわけです。で、そういう人に適切にアドバイスをもらえば受賞する確率が上がるわけです。



また、学校内部外部の建築家の人たちから指摘・講評を受ける機会っていうのは結構貴重で、うまく利用すればすごく大きなリターンが得られると思います。



現に僕も過去に色んな人にアドバイスを頂き、結果沢山のコンペで賞を取っていますし、今仕事を取るうえでもこの経験が役立っています。



また、沢山の人にエスキスを頼まれてもいます。エスキスする側としては、自分がいろいろとアドバイス(というとおこがましいですが・・・)した人が何人もコンペで受賞してるいので、”コンペの善悪や“”コンペで受賞する意味”とかそういう話は置いといて、多分僕はアイデアコンペで計画的に賞を取りにいくノウハウを持っていると思います。



今「不動産営業やっています〜テヘペロ」とかプロフィールに書いているもんだから、「建築挫折して諦めたやつ」とか思われてそうですが、建築に関しては真面目に勉強していました(今もしています)し、今でも普通にアトリエに居る人とか組織設計に居る“建築ガチ勢”の人とかからもエスキス頼まれることあるので、エスキスに対する客観的な信頼もある程度あるだろうし、SNSでいろんなタイプの人に対してやった経験があるので慣れているとも思います。
※信じたくなかったら信じなくていいからね。



まぁなんでもいいのですが、人にエスキスを頼むときに、ちゃんと意識すると、自分の作品を作るうえで他人から吸収できるものの量が爆裂的に上がります。



だから、賞を取りたい取りたくないに関係なく、他人の意見で自分が成長できることは沢山ありますので、ぜひ参考にしてください。



とりあえず今回は「エスキスする側(見る側)の視点」として記事を書くので若干上からの物言いに見えるかもしれませんが、そこは我慢して読んでください。



他人にエスキスを頼むときに単発で「図面だけ」「模型だけ」「コンセプトだけ」「ボリュームだけ」しか持っていかない人がいます。で、こういうのはエスキスする側としてはほぼ何もコメントできません。(正確に表現すると見せられた側として“コメントするべきでない”っていう状態です。)これに気付いた方がいいです。



「コメントするのが面倒くさい」とかじゃないんです。コメントも指摘もできないのです。



「これで提出物が全て揃った!」くらいのものを出されて、初めてエスキスする側がいろいろと指摘をしたり、コメントできるようになります。



学内の課題とかで言うと、最終提出の状態で、初めてエスキスする側がまともに指摘・コメントできる状態だと思います。



「エスキスや中間提出ではほとんど何も出さず、本提出前の数日で徹夜しながらやっと完成形を提出!」っていう状態がはびこっているのがそもそもおかしい。



どんな状態であれ、まず全体像を色んな方向から見せるべきです。



ここで注意してほしいのが「完成度」は問わないということです(完成度が高いに越したことはないですが・・・)。模型もグラフィックとかCGとかのクオリティも図面のクオリティも低くて大丈夫です。図面も清書している必要はありません。手書き図面で充分。パースもとラフスケッチだけとかで充分。模型もボリュームがつかめるもので充分です。



とにかく、全体の完成形が想像できるところまでは少なくとも材料をそろえたほうが良いです。けど、全体像を見せるために時間使うより、部分最適に時間割いてる人が多すぎる。



いろんな方向から考えていることが理解できる状態で見せられないと、見る側の立場にいる“赤の他人”は、部分的にしか理解できません。誠実にその人の考えを理解しようと思えば思うほど、部分的に見せられてもコメントできなくなります。



現実に建っている建物を説明する時ですら、言葉や平面図・立面図・断面図・パース・・・などなど、沢山の材料が必要です。そんな状態で、架空のアイデアが平面図だけとか、断面図だけとか、パースだけとか、コンセプトだけとか、そんな単発の要素を見せられても、見る側は理解できるわけが無いです。



ほんとあるあるなんですけど、



模型は現段階で人に見せられるクオリティじゃないから、今回は図面だけにしよう・・・

模型は仕上げてから・・・とか、

コンセプトだけ出してくるとか・・・、

平面図だけ出してくるとか、断面図だけ出してくるとか、ボリュームだけ出してくるとか・・・



で、それを見て「分かりにくい」と言うと「平面図のクオリティを上げてくる」「パースに影やエフェクト、点景を入れてくる」「断面図を書き込んでくる」「模型を少し作りこんでくる」と、部分最適を始めるパターンが非常に多い。



違うぞと。



素人に毛が生えた程度のCGの差をだれが見るの?

プリンタの性能によっては反映されない細かい解像度の違いを誰が気にするの?

アイデアが明確でないのに模型の精度とか綺麗さを誰が見るの?




こういうのは最低限出来ていればよくて。



そういう部分的な言われないと気付かないようなものを単発小出しで出されるくらいなら、全部クソみたいなクオリティでいいから、平面図・立面図・断面図・パース・模型・CG・コンセプト・敷地・敷地のリサーチ・・・・
をまとめて出された方がよほどか良い指摘ができます。




その中に途中経過のものがあっても、それも見せるべきです。



模型製作、図面の製図、CGの作成、コンセプト文の入力・・・



これらはアイデアの議論とかデザインという行為ではなくて、肉体労働的“作業”です。



肉体労働的な作業に指摘やコメント、アドバイスが欲しいのですか?



学校教育の弊害なのか、「提出物が5つある、よし、一つずつ完璧に仕上げて1つず完成させて提出だ!」って思想の人が結構多くて、その途中経過として平面図だけ完璧に仕上げて持ってきて「エスキスお願いします!」って言われても、次の週は断面図を完璧に仕上げてきて「エスキスお願いします!」って言われても、どうしようもないんです。



それなら5つをすべてラフで持ってこられた方が「全体」がよく分かりますし、作っている側の人間としても全体を把握しやすいです。ゆえに、最終のクオリティは全然違います。



この段階(ラフに添削を重ねておおよそデザインの方向性が固まった状態)で、初めて製図・模型製作・CG作成の作業を目いっぱいすればいい。



だから、学内の集団エスキス持って行ってもあまりコメントもらえない人とかは材料を沢山準備するとか、途中経過のものもすべて持っていくとか、死ぬほど敷地リサーチしていくとか、とにかく考えている事の全体像が他人に理解できる状態を意識して見せると、もらえるアドバイスの内容や量がガラッと変わると思いますよ。



やったらすごく実感できると思います。



なんなら、課題出題後1週目が最終提出くらいの感覚で全部そろえて行ったほうが良いです。今週は平面図を持っていってアドバイスもらって、来週は模型とパース持って行ってアドバイスもらって・・・っていうのはおススメしません。



単発で平面図だけとか、断面図だけとか、コンセプト文だけとか持っていくと、お互い無駄な時間使いますから。



もし、平面図だけ見せられて「エスキスお願いします!」と言われ、素直に「この図面は図面的にこことここが間違えている」と指摘したところで、平面図のクオリティとか“正しさ”は向上するかもしれないけど全体の案のクオリティは上がらない。



だいたい、全体像を把握しないまま図面の指摘をしなければいけないので、それこそ線の描き方がおかしいとか、ここは点線じゃないといけないとか、「製図」のアドバイスしか出来なくなります。



こんなのはエスキスでも何でもないです。エスキスはもっとお互いの頭の中を共有して行う議論ですから。



もっとヤバい場合だと、平面図しか出てきていない事をいいことに、エスキスする側が好きなものとか、作りたい作品に寄せてアドバイスをして、結果先生とかエスキスした人の言いなりに作品を作っているとか。



エスキスされる側としてはそういう事を聞きたいわけではないだろうし、他人に言われたものをそのまま作りたい訳ではないでしょ?



しかも、結局言われたものそのまま作っていっても、言った側からしたら「あ、マジでそのままやってきあがった。こいつ何も考えてねぇ」とか思っちゃうパターンが多いので、結局評価されなかったりします。



だったら、クオリティが低くてもいいから全体像をまず見せるべきで、全体像は「平面図だけ」「断面図だけ」「コンセプトだけ」っていう単発の材料では表現できないから、とにかく色んなものを作るべきなのです。



提出に必要な物(図面・模型などなど)が決まっているなら、すべてをラフで一旦作るべきです。完成度も案のクオリティもその時点ではどうでもいい。とにかく一旦完成させることが大事です。



で、それが出来ないとか、最初の案の切り口も思いつかないのなら、徹底的に敷地調べて敷地のリサーチ結果と徹底的に作りこまれた敷地模型、あと大量の敷地写真を出すのが一番良いです。



つうか、マジでなんの発想もできないならとりあえず課題出された瞬間敷地に行って写真撮りまくったり、敷地に1日中居たり、模型作ればいい。これは誰でも手と足さえ動かせばできますので。



そしたら、エスキス頼まれた側は、その敷地模型見ながらお互い意見を出しつつ切り口を探せますから。あと、敷地模型や写真の撮り方にも、結構作り手の特徴があって、ちゃんとした人なら、その人が敷地のどこに注目しているかも分かるので、それを元に切り口を探すこともできます。



この人は敷地写真に写っている人間の数が多いとか、

この人の敷地写真は自然が写っているとか

この人の敷地写真はそこを中心として外側(景色)を撮っているとか・・・



それぞれ注目しているところが違うので、アドバイスする側としてもアドバイスの入り口を決めやすいのです。



だから、部分的に持って行って「さぁアドバイスくれ!」っていうスタンスはやめて、まずはクオリティ低くてもいいから全体を作りましょう。



全体ができないなら徹底的に敷地のリサーチをしましょう。



部分的に指摘できないことは無いんですけど、やっても結局的外れな事しか言えないので、結局空中議論になる可能性が高いから、そういうときに出来る配慮に配慮を重ねた助言は「他のもの(模型・図面・CGなどなど)も作ってみてください」「もう少し全体を作りこんでください」としか言えないです。



部分的に理解したところに「これを直して!」とか「ここを修正して!」とかコメントしても、別の角度から見たらその指摘は間違っているかもしれないし、その人のコンセプトや考えと違う方向に導いてしまうかもしれないので、何も言えないんです。



もしかしたら、「平面的にダメな部分」を「平面的に修正」するのではなく「断面を修正」したほうがよくなるかもしれないでしょ。けど、断面図が無かったら平面図だけの指摘しかできないから、結局やる意味の無い平面図の指摘になったりする。そして次回断面図が出てきたとき、断面図+平面図で見ると全然指摘するところが違う。



「はい、前回のお互いの時間無駄〜」みたいな。



図面は見栄えするけど模型にしたら大したことないとか、CGにしたら思っていたのと違うとか結構あるから。



図面だけ徹底的にやって、最終日に「さぁ!最後模型作ろう!」って模型作ってダサかったら最悪でしょ?そういうのも事前に全体像が共有できていたら防げるから。



エスキスをやっている側は創作に参加しているというよりは国語の文章読解問題をやっているわけで、結局他人が作っている以上、正解は他人の頭にあるわけで、作っている人の考えや、やりたいことをいかに正確に把握するかを、常に考えています。そのうえで、客観的かつ最適な指摘をしなきゃいけないんです。



だから何回も書くけど、とにかく材料を沢山見せるべきです。なんでもいい。最悪プロフィールでも良い。「平面図だけ」「模型だけ」「パースだけ」と、単発で出されるよりかよっぽど良い議論ができます。



よく「エスキス持って行ったけどコメントもらえなかった」「スルーされた」とか聞くけど、たぶんコメントしたくないとか、才能を見切られたとかそういう訳ではなく、伝わってないだけですから。



僕もよくTwitterとかブログで来る質問、エスキスの依頼に「意味が分かりません」「他の自分の知り合いとかに聞いてください」って返すんだけど、それは好きとか嫌いの感情一切なく、純粋に材料が少なすぎて分からないから適当にしかコメント出来ず、適当にコメントする時間もそれを読む人の時間も勿体ないってことを考慮して答えているから。



ほとんどの場合その程度ですよ。



学内の設計課題のエスキスとかも、そういう単発で小出ししてくる分かりにくい人がほとんどで、誰に対しても指摘・アドバイス出来ないなら、過去作のパクリとか過去作と同じような物を持ってきた人のやつの方が前例ある分コメントしやすいじゃないですか。



それか、普段から研究室によく質問に来るやつとか、仲いいやつとかの方がコメントしやすいでしょ?



人として誠実に接しようと思うと普通にそうならない?



で、結果例年同じようなものが評価されるor常連が評価されるルーティーンの完成!



みたいな感じだと思いますよ。



見る側は材料が無いからコメントできない。けど、前例のあるものは理解できるからコメントできる。作る側は部分最適ばかり続けて何回エスキスしても伝わらない=アドバイスもらえない。



すごく下らない単純な原理だと思います。



その空回りが続いてお互い時間だけ浪費して、最後自分でもまとまっていない物を無理やり仕上げて提出・・・



はい無駄な徹夜お疲れさん!・・・



と。



で、評価する側も最後の最後まで意味わかんないから評価できない



と。



まぁ提出物が揃っているから後は単位だけ出そうかってなるんだと思います。



それだと意味がないので、もう少し上に書いたような事を工夫して人からアドバイスもらえば良いと思います。



他人から親身にアドバイスもらえる環境って学校出るとどんどん減ってきますので、大学4年間(or6年間)あるなら大事にした方がいいですよ。



それでは。



関連記事というか、合わせて読むとより分かりやすくなる記事のリンクを貼っておきます。



■ コンペ・設計課題のいろんな配分について

この記事は、前回の「コンペ・設計課題のいろんな配分について」の記事をちょっとだけ違う方向から書いています。SBS(サイドバイサイド)立体視の右目、左目くらいの方向の違いから書いている”つもり”なので、同時によむと立体的に理解できるかなぁと思います。



■ 全部そこそこ

「対して能力無いのに完全(完璧)を求めすぎてもあんま意味ないよ」って話を書いています。性格の問題もあると思いますが、僕は完璧に出来る物って無いんだけど、全部そこそこでそこそこご飯食べられている実感があるので、その実体験も踏まえて書いています。



■ 質問の技術と会心の一撃

僕は私生活でも他人に意見聞いたりアドバイスもらったりすることが多いのですが、質問する際に自分が気を付けていることとか、うまく質問できるとこんな良い事ありまっせ的な事を出来るだけ分かりやすく書いています。過去記事ですが、今回の記事と関連しています。



■ 質問力がもたらす効果

これも前に書いた記事です。薄いですが、関連記事だと思います。









posted by まっく at 09:38| Comment(0) | コンペ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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