建築学科攻略サイト

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カテゴリー:卒業設計


2014年02月06日

模型をつくる前に、図面を書く前に、プレゼンをする前に・・・

今は卒業設計シーズンだと思います。
このシーズンになると、良く


「PF(ポートフォリオ)を作るゾ!」とか、
「図面の手直しをしなくては・・・」とか、


そもそも論外な


「間に合わない・・・」とか
「時間が無い・・・」


という言い訳も含む意見を良く見かけます。


恐らく、この段階でほとんどの人は自分の頭の中で
イメージというか、作品が完成しているように思うのですが、
卒業設計とかコンペとなると、頭の中で作品が完結してはいけないので、
人に伝えるための「プレゼンテーション」をしなくてはいけないと思います。


デザインをしていく上で、これがなかなか厄介な関門で、
多くの人はここにつまづいてしまい、自分の作品を人に伝え
きれずに消化不良になってしまうように思います。


僕も学部3.4年生の頃にとても色々悩んだので、
その時に僕が考えたプレゼンテーションで人に伝える
ということの基本と言いますか、どうやったらスムーズに
伝えられるのかということを少しお話しようかなと思います。


ただ、文章はこうとか、レイアウトはこうとか、細かいお話の前に、
少し根本的な部分というか、大きな部分を説明させてください。


大前提として、プレゼンテーションというものは、
自分の考えを相手に理解してもらうために行うものです。


その手段として、


「ドローイング」という視覚に刺激を与えるための材料を使ったり、
相手に立体の認識をしてもらうための「模型」というものを作ります。


あくまで、これらは人に物を伝えるための手段ですので、
これが作品だと勘違いして、模型やドローイングに
一生懸命になるっていう悲しい作業だけはしないでくださいね。


そして、プレゼンテーションの方法や順番を考えるまえに、
しっかりと自分が作品を提出する場面のシチュエーションを
理解しておいてください。


これをおろそかにすると、無駄な作業や無駄な資料が増えるうえ、
余計に人に伝わらなくなります。


例えば、学内発表のように、模型・図面・レジメなどを
使用してプレゼンテーションが出来るというシチュエーション
の場合、模型・図面・レジメには、それぞれしっかりとした役割があります。


イメージで言うと、
模型という歯車と、図面という歯車、レジメという歯車がそれぞれあって、
それらがかみ合って、始めて相手によりわかりやすく自分の考えを
伝えることが出来るということです。


これらが、模型は模型・図面は図面・・・と、
単独でしか機能していなければ見る人は見る物や理解
するものが多すぎて、パニックになり、結局何も理解してくれません。


それぞれの歯車のクオリティは高いけど、それぞれ
独立してて、全くかみ合ってなかったら、なんか嫌な気持ちに
なりません??


ただデカイ模型を作って、ただいつもより少しだけ綺麗に加工
した図面を使って、ただ作れと言われたから作ったレジメをバラバラ
に使っても、相手は何も理解してくれません。


それは、個々が分離しているから、3つの要素を理解しなく
てはいけないので、見る側としても面倒です。当たり前ですよね。


でも、多くの人は何故か


「卒業設計、俺はこんなに大きな模型を作ったんだから、みんな絶対見てくれるよな!」


っていうテンションで、なーーんも考えずにただデカイ模型と、
ただ綺麗な図面を飾ってるんですね。
それじゃあ、せっかく一生懸命考えた作品であっても、
だーれも理解してくれません。


それなので、個々が持つ役割をしっかりと決めて、
それら全てを使って説明するということを前提に、
模型や図面・レジメを作ってください。


例えば、レジメのような文章であらわしにくい
立体感や躍動感をあらわしたいのであれば、
それを立体的にあらわした模型を作り、
その模型を使って説明すればいいですし、
模型を半分に割った中身を説明したければ、
その半分に割った中身を見えるようにあらわした、
図面を使って説明すればいいんです。


こういう計画を立てずに、ただ漠然と


「卒業設計時提出物・・・図面10枚・レジメA4×2・模型1/100」


という指定された物を作ろうとするから、誰にも伝わらないんですよね。


僕は学校の指定提出物は完全に無視してやってましたからね。
だって僕のプレゼンには必要なかったですからね。
もしどうしても出せって言われたら、形式上「模型」として、
ティッシュ箱でも置いとけば良いんですよ。
で、プレゼンの時に邪魔だったら使わなければいいんです。


作品ってのは勘違いされやすいのですが、
本質的な意味でのデザインというのは、
具現化された模型や図面ではなくて、
その模型や図面を使って伝えなければいけない自分の考えですからね。


それが人に伝わるなら、模型も図面も要らないんですよ。
でも、伝わりにくいから、模型や図面を仕方なく作ってるってのが普通の考え方です。


デザインとか創作の根本を理解せず、形になって表面に
見える薄っぺらーいものを見て理解した気になっているから、
徹夜してかわいそうな後輩を従えて模型作ったり、
使えもしないPC使って図面書いたりして、変な作業に追われて忙しいんだと思いますよ。


ぶっちゃけ、自分の考えが正確に相手に伝われば、
小学生の落書きみたいな図面でも、
SoyJoyみたいなただのしかくーい手抜きの低クオリティの模型でも良いですからね。


要するに、ほとんどの人は自分が何を作っているのかも
あまり分かっていないから、無意味な模型や無意味な図面を
作るのに時間がかかってしまい、これらも何に使って良いのか
分かっていないから、ただデカイだけの模型・ただ綺麗なだけの図面になってしまうのだと思います。


作る・生み出す物には必ず意味があります。
その意味をしっかりと考えてから、「意味のある作業」をしてくださいね。


それでは!
posted by makku at 14:56| Comment(0) | 卒業設計 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする